近年の葬儀事情

近年の葬儀事情

 

 

  • 「いまは、葬儀にはあまりお金をかけるものではないんですよね?」
  • 「こぢんまりした葬儀がいいんですけど」

 

近頃はこう言って葬儀社に事前相談に来るお客様が多くなりました。

 

たしかに、お葬式に対する世間一般の価値観(ここでは金額的な面)は、ここ数年で大きく変化していると実感します。

 

 

10年前の一般的な葬儀でも、葬儀といえば、できる限り大きな会場で、できる限り大人数で(参列者を多く呼ぶ)、できる限り豪華な祭壇を用意する――つまり、「かけられるだけお金をかける」ことが望ましい――という考えがありました

 

金額(葬儀代金)にすると、最低でも100万円。現役バリバリで働いている方や経営者、地域の実力者、著名な方などが亡くなった場合には、だいたい300万円以上の額にもなります。

 

 

そして、参列者も100人以上。(※ちなみに私が請け負わせていただいたこれまでで最大規模の葬儀は、現役代議士のご尊父がお亡くなりになった際の「参列者4000人」の葬儀です。葬儀代金はおよそ3000万円でした)

 

  • 「いっぱい(参列者に)来てもらわんと、(故人である)お父ちゃんに申し訳ないわ。できる限り大勢に声を掛けますんでヨロシク」
  • 「この祭壇、他(の葬儀)と比べて、見劣りしませんかね? 家の名にかけて、ショボい葬儀はできませんわ」

 

このようにおっしゃるお客様は大勢いました。

 

葬儀のための費用が無いからといってお金をかけない葬儀では、故人に申し訳ない・・・こぢんまりした祭壇では、恥ずかしい・・・

 

「大勢の皆様に参列していただき、盛大に見送る」ことこそが、故人に対する「礼」であり、また「家」としてのプライドであったのです。

 

 

ところが、長引く不況、そして時代の移り変わりにともなう生活様式や文化の変化……宗教心、宗教的習慣の希薄化、親類・地域住民とのコミュニケーションの希薄化などから、葬儀費用が無く、お葬式を見直す動きが出てきました。

 

2010年、「日本の葬式は贅沢すぎる」「本来、葬式そのものが無用」と説いた島田裕巳氏の著書『葬式は、要らない』(幻冬舎新書)がベストセラーとなり、それに追随するように、多くの葬儀社が「お金をかけないお葬式」「小規模のお葬式」を前面に打ち出し、広告宣伝を展開し始めました。

 

soushiki-ha-iranai

 

これによって、規模の小さい葬儀は、完全に市民権を得ることになりました。

 

財団法人日本消費者協会の調査によれば、葬儀の合計費用の全国平均は2003年の236・6万円から、10年後の2013年には188・9万円へと下がりました。

 

とくに前述の「親類・地域住民とのコミュニケーションの希薄化」が顕著な都市部では、施行される葬儀の8割が、参列者の人数を絞った小規模の葬儀であると言われています。

 

私が勤めていた葬儀社への葬儀のご要望も、現在ではその多くが小規模の葬儀となっているそうです。

 

「いま、葬儀といえば100万円以下の費用のものがどんどん増えている」

 

これは紛れもない事実です。

 

 

 

葬儀は面倒?

 

知り合いが、あるいは知り合いの家族が亡くなった。

 

「明日お通夜、明後日に告別式」という案内が回ってきた……このとき、もしも相手(遺族、あるいは故人)とそれほど親しくない問柄だったとしたら……

 

正直言って、「お葬式に行くのは)面倒くさい」のではないでしょうか?

 

 

  • 「何しろ急なことだったからさあ……仕事の予定が狂っちゃったよ」
  • 「急いでいるんで、お焼香をしたらすぐ帰らなきゃ。とりあえず″来た″ってことだけでもわかってもらえればいいや」

 

 

できることなら参列せずに済ませたい。こう考える人は少なくないでしょう。

 

 

葬儀社として何度も現場に立ち会っていたからこそ分かりますが、これは多くの現場でとひしひしと感じることです。

 

これが多くの人の本音であり、いまはそういう時代、ということなのです。

 

遺族は深い悲しみのなかにあり、当然のことながら参列者一人ひとりの気持ちや生活事情などを掛酌する余裕はありません。

 

それに対して体裁上駆けつけた側としては、お葬式に行きたくて行く、ではなく、葬儀を知ったから仕方なく行く……義理を呆たすために行くというわけです。

 

葬儀とは、急に呼び出されて、行かなければならない厄介なもの……。誰かのお通夜のためにスケジュールが狂ったという経験は、多くの人が持っているはずです。

 

とりあえずお通夜に顔を出して、慌ただしく帰っていくという人が多いのも、忙しい現代社会では仕方のないことでしょう。

 

 

  • 「お葬式が面倒くさいものクなんて、不謹慎な―」
  • 「故人のため、遺族のため、何はさておき駆けつけるものだろう―」

 

そうお怒りの方もいらっしゃるかもしれません。そんなあなたは、古き良きタイプの人物です。

 

 

いまの時代の人々が不届き者ばかりと言うつもりはありませんが、親しい人、大切な問柄の人に関わらない葬儀については、「できれば行かずに済ませたい」というのが、本音なのです。

 

人数を限定した規模の小さい葬儀喪主側の葬儀費用が無いという事情だけでなく、参列する側の人の本音にもマッチしたものだと言えるかもしれません。

 

 このエントリーをはてなブックマークに追加 

 葬儀費用がない.com


おすすめの葬儀社 サイトマップ